場 所:栃木県野木町
運営形態:社会福祉法人
用 途:障害者施設(日中活動・児童デイ)
構 造:木造
その他 :森林整備加速化・林業再生基金事業による補助事業
【設計コンセプト】
² 今回の事業の発端は、森林整備加速化・林業再生基金事業のための補助事業に申請したところから始まります。条件は、「他の補助金が無いこと」、「木造建築で主要構造部を栃木県産出の材料を使用すること」、「内装の仕上げに極力栃木県産材を使用すること」、と、なります。
² プランニングの特徴として、建物には顔となる玄関などがありますが、今回の計画では玄関が東側と西側に2ヶ所あり建物の正面となる部分が明確ではなかったことです。というのも、用途が障害者日中活動のための施設と児童デイサービスに分かれており、それぞれに出入り口が必要となったこと(運営上による)によります。
² 柱・梁・土台・小屋組等に、県産材の杉・檜を使用しました。活動室の大スパンには、大断面木材の杉集成材を使用して、梁・小屋組を見せるようにしました。
² 内装仕上げには、床には杉無垢フローリングを使用して、壁も同じ素材で仕上げました。通常知的障害者施設の設計する場合は、壁の仕上げには気を使い極力剥がされないようにするところですが、今回は、その点では心配ありませんでした。意匠的にも温かみのある柔らかい雰囲気になりました。
◆ 設計とは…
木造建築の可能性が、日増しに注目されています。
数年前には、公共建築物の木造推進法案も可決されたことも追い風になっているようです。 数年前より木造耐火構造の認定が可能となり、大断面集成材の製作技術の向上や燃えしろによる耐火性能の認知などが実験により進んでいます。
そういった、技術の進歩をいち早く情報を収集し検証・検討を行い、設計に取り入れることができるかを判断する。
木造技術に限らず、材料や工法についても同様のことが言えると思います。また、そういったものを使用するに当たっては、細心の注意が必要です。